Necromakeycon-ネクロマキコン-

唐揚げを揚げつつ横スマを振ります。

任天堂から「著作物の利用に関するガイドライン」が提示された話

 Twitterで話題になっていますが、本日任天堂から下記のようなガイドラインが提示されました。

 

www.nintendo.co.jp

 

ポイントは何点かありますが、全体を通してみるとかなりユーザのことを考えてくれている内容だと思います。

 

ガイドライン提示前の話

YouTubeニコニコ動画など色んなサイトで「ゲーム配信」「ゲーム実況」などゲームに関する動画は多くあり、改造動画、チートを使った動画などもよくありました。

 

例えば、スマブラで言うと改造してマスターハンド使ったりとか、なんかそういう動画は昔からあったと思います。

 

時代は流れ2018年、誰でも手軽に配信できる環境が整えられるようになったことで、YouTubeLive、Twitch、ニコニコ動画、OPENRECなどの動画サイトで動画の投稿、ストリーミング配信などができるようになりました。

 

世界中の誰とでもゲームのワンシーンを共有できるということで確かに魅力的ですが、一方ゲームを作っている側としては著作権の問題だとかいろいろあるわけで、許可されているタイトルは別として、全般がグレーゾーンという感じでした。

 

特に「これなら大丈夫!」という公式からの線引はなかったので、NG対象の動画は「動画は削除しないけど、この動画の再生数の収益はコンテンツの権利持ってる任天堂がもらうよ」みたいな対応でした。自分も実際にされていました。(スマブラ自体は引っかかってないけど、スマブラ自体がいろんなゲームの曲を含むので曲で引っかかったりとか)

 

実際こういう状況だと、配信したい側の人も何が引っかかるのかわからないから止めておこうとか、動画が消される可能性があるなら任天堂のコンテンツに手を出さないという人もいたのではないかと思ってます。

 

ですが、これはOK、これはNGというものを任天堂側が作ってくれたことで、配信側もこれさえ守っていれば問題ないということで配信自体がしやすくなり、任天堂側も広まってほしくない、アウトな動画を全力で消しに行けるのでいいんじゃないかなと思います。

 

ということで何が変わったのか、関係しそうなところについて見てみましょう。

 

NGな項目

発売日前の動画投稿・配信

これはいま丁度話題になっている話で、スマブラSPが発売前2週間にしてフラゲされて対戦動画や1人モードの動画がYouTube等に出回っています。
YouTubeに投稿された動画は任天堂により削除が始まっているとのことですが、発売前のゲームを流されるのは販売する任天堂側も、ゲームプレイヤー側もブチギレ案件でしょう。

このタイミングで出てきたので、ネタバレ情報出てきたあたりからこのガイドラインを作ったのでは…?

 

営利目的での動画投稿・配信

営利目的での動画投稿はNGとのこと。
ただし、YouTubeやTwitchなどのシステムを利用して収益を得るのは「可能」となっています。

むしろこの部分がOKされるんだったら、文句言う人は少ないのではないでしょうか。

 

逆にこの辺のシステム利用以外で利益を得るっていうのは逆に難しいと思いますが…。
海外でよくやってる、配信しながら投銭募集するとか、作った動画を販売するとかそういうことなんでしょうかね。

 

サントラ垂れ流し、ムービー垂れ流しなど創作性のない投稿・配信

任天堂は、Nintendo Switchのキャプチャーボタン等の機能を利用する場合を除いて、お客様ご自身の創作性やコメントが含まれた動画や静止画が投稿されることを期待しております。お客様の創作性やコメントが含まれない投稿や任天堂のゲーム著作物のコピーに過ぎない投稿はご遠慮ください。

 

任天堂の主張としては「コンテンツ使ってもいいけど、そのまんま加工せずに使って自分のものと言い張るのはやめて!」ってことでしょう。

動画のムービー部分を切り取って、そこだけ投稿するとか、そういうものはやめていただきたいと。

 

チートや改造を使った投稿・配信

恐らくDX勢あたりが一番引っかかるのはここでしょう。
チートや改造を使ったものは動画投稿、配信がNGとなりました。

 

  • 各国の法令に違反するもの
  • 任天堂知的財産権を侵害するもの
  • 任天堂の商品またはサービスの正常な動作を妨げたり、安全性を損ねたりする行為
  • 不正にコピーされたゲームソフト、改造されたゲームソフト、任天堂の許諾を受けずに任天堂の著作物を利用して制作されたゲームソフト、または不正に入手されたゲームソフト
  • チート、クラッキング不正アクセス、技術的制限手段の回避、不正な改造またはこれらを可能にする物、ツールもしくはサービス

 

具体的に言うと、

  • UCF*1
  • 20XX*2
  • ネトデラ、ネトスマ*3
  • PMとかそれに似た類のもの*4
  • スマ4のテクスチャハック、BGMハックなど*5
  • WiiのUSBとかSDとかで起動する類のゲーム*6

 

確かにハックといえば聞こえは悪いかもしれないけど、実際攻撃判定を可視化したり、CPUに同じ動作させ続けたり、スマブラのトレーニングをするには有用なものも多いです。
ですが、その辺が広く知れ渡って変な方向に流れていくと、任天堂にとっては不利益になる場合もあるので、「個人で勝手に楽しむのはいいけど配信するのは止めましょう。」ってことですね。

 

実際、WiiUのテクスチャハック、BGMハックなどが世に出てから、テクスチャハックした状態で配信する人も多くいましたし(特に海外勢)、国内では「フリーズチート」*7なども多く見られるようになりました。

 

任天堂側としてはそんなことされたら完全に営業妨害だと思うんですが、制限するのが難しいっていうのはありそうですね。

 

OKな項目

オフラインのゲーム大会の配信

A8.任天堂著作権を有するゲームのプレイ動画を、動画の共有サイトに投稿することは、このガイドラインの対象ですが、オフラインのゲーム大会の実施は、ガイドラインの対象ではありません。なお、ゲーム大会でのプレイ動画を動画の共有サイトへ投稿したとしても、その投稿をもって、オフラインのゲーム大会の実施自体が、ガイドラインの対象になるわけではありませんのでご注意ください。

 

今回のガイドラインは配信等に関するものなので、オフ大会の開催自体はガイドライン対象外ということです。また、オフ大会で配信する際、配信内容はガイドラインの対象になるため考慮しないといけないけど、大会開催自体はガイドラインの対象外だから好きにどうぞと。

 

オフ大会自体は否定せずにどうぞっていう姿勢はありがたいですね。
実際スマブラのニコニコチャンピオンシップとかでは各地方のスマブラユーザ大会が予選になってましたし、その辺は全面的に認めてくれてる感があって嬉しいですね。

桜井さんもスマブラSP発売前大会で「e-sportsが~」って発言してたので、作る側も認識しているっていうのは喜ぶべきことだと思います。

 

YouTubeなどのシステムによる収益化

Facebookの「Facebook Game Streamer」および「Facebook Level Up Program」
ニコニコ動画/生放送の「クリエイター奨励プログラム」および「ニコニコチャンネル」
OPENREC.tvの「OPENREC Creators Program」
Twitchの「Twitchアフィリエイトプログラム」および「Twitchパートナープログラム」
Twitterの「Amplify Publisher Program」
YouTubeの「YouTubeパートナープログラム」

今挙げられているのはこのぐらいですが、随時更新とのこと。
正直この辺が利用OKであれば、収益化も問題なくできるかなと思います。

 

 

 

まとめ

以上のことをまとめると、

 

  • 発売前に配信するなよ?わかってるな?
  • 配信してもいいけど実機でやれ!チートとかなしな!
  • 大会勝手にやるのはいいけど配信するならルール守れよな!
  • 金稼ぎたいならYouTubeとかTwitchのシステム使ってやれよな!
  • ルール出したからな!守れん場合は法的措置を取るぞ!

ということですね。

このルールができたことですごく動きやすくなると思います。(チートのトレーニングモードとかが進んでる海外勢的には痛手かもしれませんが)

 

何でもかんでも「禁止」にするような対応ではなく、娯楽を提供してくれる任天堂だからこそと言いますか、ユーザーが動きやすいように取り計らってくれてるなあという印象でした。本当にありがたい。

 

 

折角ガイドラインが出たということですし、スマブラSPが出たら自分も配信しようかなーと思いました。

 

*1:入力に補正をかけてコントローラの個体差を少なくするハック

*2:カラバリ増えてたりステージのテクスチャ変わってたりBGM変えられたり攻撃判定表示させたりその他諸々できるハック

*3:ゲーム内容自体は同じでも、元々できないオンラインの対戦のため、不正な改造またはこれらを可能にする物、ツールもしくはサービスに該当

*4:スマブラXの改造ゲー、Xの素体をもとにしている

*5:同様にハックしているものなのでNG

*6:USBやSD媒体から本来ソフト起動はできないため

*7:オンライン対戦でマッチングすると相手のWiiUをフリーズさせてしまうチート。場合によっては本体の故障の原因にもなり、起動できなくなる