Necromakeycon-ネクロマキコン-

唐揚げを揚げつつ横スマを振ります。

スマブラDXオフライン大会の実情と今後

神奈川スマブラ大会『クロブラ』主催のクロマキバレットです。

イベントではスマブラSPスマブラDXのトーナメントを開催しています。

 

スマブラDXのオフ大会事情について、記事に残す人もあまりいないと思うので残しておこうと思います。

 

 

 

関西の大型大会「MasterHand」が無期限休止

先日、関西で開催しているスマブラDXオフライン大会「MasterHand」が無期限休止となったことが告知されました。

 

 

DX勢以外には伝わらないかもしれませんが、これはスマブラDX勢にとってはかなり大きな事件です。

 

MasterHandという大会自体は2015年から開催されていますが、それ以前にも前身となる大会があり、長らく関西では月1ペースでスマブラDXのオフライン大会が開かれてきました。

 

自分もスマブラ界隈に入る前から「関西ではスマブラDXが盛んに行われており、大会も存在する」という認識を持ってました。

自分がスマブラDXに興味があったとは言え、当時オフの文化も知らない人間が界隈の人との交流が無い状態でも大会が認知されていた、というのはめちゃくちゃすごいことだと思います。

 

主催であるKounotoriさんは大会主催だけでなく古くからスマブラDX界隈の為に「スマブラDX攻略指南」のサイトを運営したりと貢献していました。

自分もそうなんですが、攻略指南のサイトがなければ、DX界隈に行き着かなかったと言う人も多いのではないでしょうか。

 

関東のスマブラ大会よりも歴史のある関西で、スマブラDX最後の砦だったオフ大会の凍結は、プレイヤーにとっては衝撃的だったわけです。

 

数年前までのスマブラDXオフ大会事情

数年前まで、DXの大会は数カ月に1回とか、月1とか、まばらではあったものの全国的に存在していました。

関東のBGW、関西のMasterHand、北日本の北会、名古屋の中部大会、広島のヒロスマ、福岡の修羅ブラ、そして自分が開いている神奈川のクロブラなど。

 

本当に全国的に開催されて、意欲のあるプレイヤーは各地に遠征していました。

「プレイヤーパワーランキング」も作成され、多くの大会に参加したほうが有利となるため「いろんな大会に出よう!」という流れがありました。

海外大会に参加する人も多く、ブラウン管にゲームキューブを括り付けた移動式スマブラDX起動装置「MeleeMachine」が流行りました。

 

 

この頃(2015-2018年あたり)がスマブラDXのオフ大会が一番盛んに行われていた時期だと思います。

 

大きかったスマブラ新作の影響

このスマブラDXオフ大会が一番活性化していた時期というのは、スマブラforが発売された後」でした。

 

それまで一般的に認知されていなかった「スマブラのオフ大会」がウメブラ、スマバトを筆頭に認知されるようになり、スマブラforの大会が全国各地に急増しました。

そのタイミングで「実は過去作のスマブラもオフ大会がある」というのが一気に広まるきっかけになり、クロブラを含むforとDXの合同開催大会が増えていったと思います。

 

それまで64、DX、X界隈は、それぞれ全く別の操作感で、全く異なるゲームだったため、新作が出て人が移動することはあれど界隈としては別で、for発売まで個別に存在して活動してきました。*1

 

それまではTwitterという便利なツールも普及していなかったのですが、独自に大会を開催してきたものと思われます。*2

 

現在のスマブラDXオフ大会事情

しかし現在、定期的に開催されている大会も減ってきており、修羅ブラなど完全にDX部門を終了する大会も出てきました。

 

多くの理由は「運営陣の環境の変化」です。

主催していた運営の年齢層が上がり、大学卒業して上京とか、会社の都合で転勤とかでプレイヤーが地方から減っていきました。

スマブラSPとは違い、この界隈はプレイヤー自体が元々少ないのもあって、運営が数人いなくなると大会が回らなくなります。

 

また、ほぼほぼ新規プレイヤーというのは増えないため、遠征で人が来る見込みはあっても運営の後継者がおらず、そのまま消えるしか選択肢がなかったと思われます。

 

DXプレイヤーの多くは30代半ば〜20代半ばで、現状スマブラに多くの時間を割けなくなってきた、というのは想像できるかと思います。

 

盛り上がるオンライン

現在スマブラDXは有志によってオンラインでの対戦が可能になっています。

古くより64で「ネトスマ」というものがありましたが、かなり前から「ネトデラ」も存在していました。

 

コロナ禍の影響か、そのネトデラがグレードアップし、ブラウン管と同じ遅延*3でオートマッチング機能を追加したものを、謎の技術で海外の有志が開発しました。

 

毎度スマブラDX海外勢の熱い思いと謎のテクノロジーには驚かされますが*4、オフ大会がない間に手軽に遊べるスマブラということで多くの人がプレイしています。

ただ、遅延の問題が解決したとはいえオンラインであることに変わりはないため、やっぱりオフの方がいいという人も多いです。 そこは主軸に置くのが「対戦」なのか「交流」なのか、各プレイヤーによって意見が異なってくると思います。

 

今後のオフライン大会

2020年も9月になってしまいましたが、まだまだコロナ禍が収まりそうにない現状があります。

現状大会運営サイドで一番キツイのが、スリップダメージとして毎月削られている倉庫代です。

また、現状では強行開催すると、会場側の制限で開催時に人数をキャパの半分まで絞らなくてはならないため、開催しても会場費が回収できず赤字になってしまう恐れがあります。

ブラウン管やら機材やらを大量に保管するには倉庫は必須になってしまうので、まともにイベントが開けない現状は金銭面でかなり苦しいというのは言わずともわかるでしょう。

 

運営側は開催頻度を極端に上げられない以上、大会そのものの存続目指すのであれば、参加費を上げるか、募金やクラウドファウンディング等で持ちこたえるしかないと思います。

プレイヤー自体が減ってきているのもあるので、難しいところではあると思いますが…。

 

修羅ブラやマスハンの例もあるように、ユーザーが開催しているイベントはいつ終了してしまうかわかりません。「あの時参加しておけばよかった」ということがないように、できる範囲でイベントに参加してほしいと思っています。

 

 

*1:ブラウン管の共有、という意味で関西ではDXとXが共存していたとは聞いています。

*2:自身はfor発売直前にオフ勢の仲間入りしたのですが、それ以前の界隈についてはmixi等で募集をかけていたと聞いています

*3:コンポジットの3色ケーブルで出力するゲームにおいて、ブラウン管と液晶テレビでは遅延に大きく差が出ます

*4:過去にはゴニョゴニョしたWiiにSDカードを差して攻撃判定など表示できるようにしたり、次第にWiiも不要になりGCメモリーカードからデータを呼び出してあれこれできるようにしたり、GBA SPの画面を使ってスマブラDXをできるように改造したり…