毎年年末恒例のスマブラアドベントカレンダーの記事です。
2016年から始まっている企画ですが、毎回参加してるので、6回目になりますね。(年2回以上投稿してたりもするので記事はいっぱいあったりする)
過去の記事(一部)
特殊な「スマブラ」の宅オフ事情 本当にあった怖いオフ会 #スマブラAdventCalendar2016 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
スマブラの大会を開く~クロブラができるまで~ #スマブラAdventCalendar2016 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
最近のスマブラオフ大会の懸念とか #スマブラAdventCalendar2017 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
スマブラのオフ大会に興味はあるけど不安な方へ #スマブラAdventCalendar2018 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
「孫氏の兵法」から学ぶスマブラ #スマブラAdventCalendar2019 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
コロナ禍でスマブラ勢がオフ大会のためにできること #スマブラAdventCalendar2020 - Necromakeycon-ネクロマキコン-
スマブラの大会参加者向けメインに毎回書いているのですが、今回はどちらかと言うと大会主催者やスタッフに向けて「クロブラ」でやっていることについて共有したいと思います。
特別クロブラだけがやってるわけではないこともあると思うので、「何を今更…」「うちの大会のほうが絶対効率いい」という内容もあるかもしれませんが、こういうのはアウトプットして共有してナンボだと思っているので記事にしたいと思います。
また、これを機に参加者にも「大会運営してる人はこんな感じで考えてるんだなー」、「裏でこんなことやってるんだなー」、というのを何となくでも認識してもらえたらいいかなと思っています。
今回も例のごとくめちゃくちゃ長文記事です。
読みづらいのは承知ですが、いろいろ書いてたら1万字を超える記事になりました。
はじめに
スマブラのオフ大会ですが、スマブラforの頃と比較して一般的に認知される機会が圧倒的に増えてとても盛んになってる印象です。
一方、大会の運営サイドは大会名が異なっても実は割と同じ人が掛け持ちしてやっていたりで、「実は大会の裏側の話ってあんまり共有できていないのでは?」とも思っています。
去年から今年の秋にかけてはコロナなくなれー、とウダウダするしかなかったのですが、大会開けない間に大会の裏側のこと整備しようみたいなのを考えていろいろやってみたので、クロブラでは大会の効率化とかのためにこんなことをやってます!みたいな内容を挙げていこうと思います。
大会検討編
まず大会を開く前に、「どんな大会を開きたいか」というのが大前提としてあると思います。
開催場所は?規模は?ターゲットの参加者層は?どういう形式で?目標は?
みたいな話です。
自身が開きたい大会のコンセプトを持つことは大会を続けていく上で重要だと思っていてます。
大会運営に限らずですが、何かを継続したり、良くしていこうとするのには何らかの目標が必要です。
特にユーザー主催の大会は、主催のモチベが第一で、モチベがなくなって大会自体が消滅、というのはよくある話なので、どういうコンセプトで、どういう目標を持って開催する(したいと思っている)のかは一度考えてみてもいいかもですね。
ちなみにクロブラの大会コンセプトは、「大会スタッフを含めた参加者全員がスマブラを楽しむイベントの開催」、大会の目標としては「赤字脱却/スタッフ負担の軽減」と考えています。
大会の正式名「神奈川スマブラ対戦会クロブラ」からわかるように、神奈川をホームとしているのをわかるようにしています。
「スマブラ」を楽しむと言うのは、何も1on1だけでなくスマブラというゲームを楽しめるイベントの意で考えています。
2on2のチームイベント、サブイベントでやるアイテムあり、スマブラサッカー等の変則ルールも全部スマブラですし、1on1だけがスマブラじゃないですからね。
大会目標の赤字は…黒になるのはいつかわかりませんが、急に大会が開催できなくなった時の倉庫代がキッツいな…とコロナ禍で身を持って体感したので、後先考えずに会場を年単位で予約は控えようね…先行投資も大事だけど大会継続するならプール金作るのも大事だね…何が起こるかわからないからね…といろいろ思うところがある中での目標です。
スタッフの負担軽減は文字通りで(後述しますが)、なるべく大会コストを低くしたいななと考えています。
そのため、楽して大会を開くための基盤を固めるためにめちゃくちゃ負担をかけてる状態です。(どういうことだよと思うかもしれませんが開発経験のある人とかは共感できるかもしれません。)
最初大変でも、基盤ができて楽にイベントが出来る状態になりさえすれば開催する負担も減らせますからね。
大会準備編
大会告知の工夫について
正直クロブラ等が大会を開始したスマブラforの頃とは大きく環境が異なっているのですが、現在は小中規模の大会も増えていて、どうしても埋もれてしまう傾向にあるかなと。そこで「まずは多くの人に認知してもらう」ことが最重要なのかなと思っています。
その際「有名プレイヤーを招待する」のも一つの手だとは思っているのですが、あくまでも有名プレイヤー目当てで一時的に参加者が増えても、有名プレイヤー目当てで来た人が大会の常連になるかと言うと別の問題になります。
強豪プレイヤーを優先したい大型大会や、何かの記念などで特別なイベントにする目的があって大会のレベルを上げたいというのであれば招待枠はとても有意義なのですが、小中規模の定常開催のイベントでは効果が薄いかなと思っています。
ツイート内容を工夫する
ではどうするかという話ですが、基本的に大会がイベントの告知している時ってTwitterを使用しているところがほとんどですよね?
新規の認知されていない大会であればあるほど、まずは検索に引っかかるようなツイートをするのが重要です。
検索に引っかかるようなツイートとは?と思うかもしれませんが、仮に検索する側に立ってみるとしたらどうでしょうか。まずはゲームのタイトルとして「スマブラSP」、それに「地名」を入れて検索かけるんじゃないでしょうか。
なので募集ツイート内には「スマブラSP」「地名」を入れる。できれば都道府県も記載していたほうが良いかなと思います。
都道府県を省いて「〇〇市」から書いてるツイートもたまに見かけますが、47都道府県中、同じ名称の市なんて結構あるので、絞れるなら書いておいたほうがいいかなと。
そしてハッシュタグとして「#スマブラSP_オフ会」をつける。
これはスマブラfor時代に定着させようとして成せなかったので、SP発売前にブログやTwitterでハッシュタグ統一を呼びかけた内容なんですが、周りの人の協力もあって今では全国的に定着しているようです。嬉しいですね。
chromakeybullet.hatenablog.com
鮫木さんが定期的にツイートしてくれているところも、新規プレイヤーへの周知に繋がっているのかなと思います(本当にありがとうございます)。
また、TwitterTLは文字列がじゃんじゃか流れてくるので、画像を添付すると目に止まりやすくアピールになります。
そういうのも含めてツイート内容を考えると、以下のような感じに。
11/20(土)開催 #クロブラ26
— クロブラ/神奈川スマブラ対戦会クロブラ (@Kurobra_SSB) November 6, 2021
内容:96人規模スマブラSP 1on1トーナメント
・予選 ダブルエリミBo3
・本戦 A/Bクラス ダブルエリミ
会場:グランベル横浜ビル 大会議室+中会議室(ハマスタ隣のビル)
申請期間短くなっております
来週申請開始です!#スマブラSP_オフ会
申請先https://t.co/O8mx4J9MPk pic.twitter.com/vVKNUhVfM4
・「スマブラSP」の文字列
・開催地域の記載 神奈川(アカウント名に入っている) 横浜
・ハッシュタグ #スマブラSP_オフ会
・ついでに大会ハッシュタグ #クロブラNN *1
・募集開始の告知用画像添付
GameHintの機能を使用する
現在大会運営で参加募集はGameHintを使用する、という大会も多いかと思います。
大規模大会だとsmash.ggを使用している大会がほとんどですが、中小規模の大会はGameHint募集、challongeでトナメ進行がほとんどです。
そのためsmash.ggのみの運用でも、GameHintのカレンダー登録でggに誘導するなどしておけば、目にしてもらえる可能性が高まるという考えです。
参考ページとしてはこんな感じで。
大会タイトル別にイベント検索ができます。また地方ごとでイベントの絞り込みも可能です。
またGameHintのアカウントからページへのツイートを1度だけ送信できるため、特にイベント始めたてのアカウントを告知するには良いかと思います。
クロブラ27 全員参戦超総当たり
— GameHint (@GameHintJP) 2021年12月12日
🕤 12月25日 9:45 - 19:00
📍 belle関内601(神奈川県横浜市)#GameHint #スマブラ #スマブラSP #スマブラSP_オフ会https://t.co/6dzPWGcrGM
トーナメント進行時間の管理
次に大会の中身の準備について。
大会を進行するのに気になるのが大会の進行時間。
進行が早すぎれば時間を余らせてしまい、遅すぎると会場の確保時間を延長、もしくはイベント途中で退出という事態になりかねません。
クロブラも「まあ大体こんなもんで進めれば規定の時間内には終わるでしょ」ぐらいでやっていたんですが、近年は配信をやる上で「できるだけ多くの試合を配信台でやりたい」という折角だし配信のクオリティ上げたい的な思いもあるため、「このラウンドもう1試合やっちゃおう」「ちょっと試合終わるのを待ってでもこの試合配信しよう」みたいなことをして終了時間がやばい、みたいなことが起きるので計画的に進行することにしました。
まず何をしたかと言うと、トーナメント全体の試合時間の把握です。
トナメを実施するにあたり、
・方式によってMAXどのくらい時間がかかる
・MAX時間よりも早く進行しているようであれば配信台での試合を増やせる
という考えのもと、じゃあ対戦にどんだけ時間がかかるんじゃい、というのを計算で予め出してしまおうと。
予選で総当りorスイスドロー形式を行う場合については、以下の記事を書く際に計算できるスプレッドシートを作成したのですが、今回は予選トナメや本戦で使用することも想定してトナメ版を作成しました。
chromakeybullet.hatenablog.com
トナメについても前回(総当り/スイス計算)と同じシートに記載しました。
ということで、下記画像のようにスタンダードな16人トナメ、32人トナメ、64人トナメにかかる時間を計算して出してみました。
普通のトーナメント管理サイトのトナメ表では左詰めで
W1 W2 W3 W4…
L1 L2 L3 L4 L5…
となっていますが、これだと
・勝者側と敗者側のどことどこがまとめて試合ができるのか
・どの場面からフリー台を開放できるのか(モニタを何台使用するのか)
がわかりづらいため、目に見える形にしておく方が便利だなと思って位置を調整した結果若干見慣れない形の表になってます。
ただ、これで勝者側の試合のどこに余裕持たせて、どこの配信数を増やせるかわかりやすくなったかと思います。
ここでは、一旦スマブラSPのルールである1試合7分BO3で21分、呼び出しや台の移動、試合前のステージ選択等に含まれる時間を5分として計算しました。
この計算では、想定の最大時間かかる見込みで算出しています。
実際はBO3であれば(特にトナメの1戦目では実力差が明らかに出るので)2本連取で終わる場合もあるし、そもそも7分ギリギリの試合を3本続けてすることなんてほぼほぼないです。
あくまでも全試合が最大まで振り切って時間かかってしまった時の進行時間で、逆に言うとトラブル等が発生してこの時間を超えてしまうと完全にアウトですよという目安になります。
下記はクロブラ26で使用したんですが、先程の時間計算を元に「大体このぐらいの時間帯にこの試合が終わってないと大会終わらない」というタイムスケジュール表です。
以前のクロブラでは主宰の自分が受付におり、どの試合を何番台で、配信はどのカード、とか全部振っていたので、このぐらいの時間ならまだ全然間に合うなーとか思いながらやっていました。
ただ、現在は自分が配信席に張り付きっぱなしのことが多いので、他のスタッフでも配分を考慮できるように「自分の頭の中で考えてるのを可視化しとくか」という考えでこんな感じに書いてみました。*2
参加者一覧の提示
次に参加者に向けた資料についてです。
クロブラでは毎回大会参加者をスプレッドシートに張り出して、
・誰が参加しているか
・空き枠がどのくらいあるか
・あと何人キャンセルで繰り上がり参加になるか
がわかるようにしています。
ちなみにsmash.ggからCSV出力して手でコピペして貼り付ける全手動更新(手間はかかっている)なので、常に最新の状態が反映されているわけではないです。
クロブラは元々はこくちーずプロを使用しており、参加者がこくちーずでキャンセルしたら、キャンセル待ちの人が自動で繰り上がるシステムになっていました。
キャンセル者が申請サイト上でキャンセルできる場合(GameHintやこくちーず)とできない場合(smash.gg)、どちらもメリット・デメリットがあります。
前者は運営側で参加者に反応する手間が減るのですが、申請サイトとトナメが別口になっているため、キャンセルタイミングによっては気が付かずに予選のパワーバランスが一気に壊れてしまう恐れがあります。
後者は参加者と運営でやり取りしたり、キャンセル繰り上がりの対応をする手間は発生しますが、予選に運営の想定していない人が入り込むことはなくなります。
クロブラは後者(smash.gg)で進めていますが、こくちーずからggに切り替えた直後、参加者から「あと何人キャンセルで参加なのかどう見ればいいんですか?」という質問が飛んできて、無限対応編が始まって大変だったので、先手を取ってスプシに記載して提示することにしました。
当初はsmash.ggも参加者側からキャンセルできればいいのに…と思っていたんですが、サイト側が繰り上がりやってくれてるから大丈夫っしょ~のノリで、実は古いCSV見て作業ミスがあった問題や、
自動繰り上がりだから一般キャンセル待ちor持参キャンセル待ちを用意しようとして「持参キャンセル待ちで先に申請しても、一般枠キャンセルが発生すると一般が繰り上がりで持参は参加できないから、どっちで申請するか読み合いが発生する問題」もあったので、サイトに頼らずこっちでまとめてしまえと思いました。*3
また、キャンセルできたかできてないか、繰り上がりできたかできてないかの対応とかも全部ひっくるめてシート管理するようにすれば、こっちの作業状況が参加者にも伝わってトータルの連絡する手間は減るし、こちらから連絡したい時はTwitterIDをコピってリプライもしやすくなるので現在の方針に落ち着きました。
スタッフ作業は自分の個人の時間を割いて作業する必要が出てくるのもあって、基本的になるべく作業が楽になるように、楽になるようにと考えているので、今後も変わるかもしれません。
大会ルールのWeb掲示(QRコードの導入)
大会ルールはGoogleDocsに記載しました。
紙ベースだとルール改定の度に全ルール用紙を印刷し直しとなって印刷の手間もかかればインク代とかもかかるしやだなーと思ってたんですが、名札の裏にQRコードを印刷することでルールを絶対最新版で参照できるようになっていたので機能的にも良くて楽な状態になってました。
ただ、スマブラSPの大きなアプデが終了したことで、今後大きくルールが変わることもないと思われるので、回線障害発生時の対策として印刷物としても準備するのが良いかなと思っています。
オフ大会新規参加者等への対応
新規参加者への対応も(申請ページに目を通していればわかるように)記載しています。
#スマブラSP オフ大会超初心者向け解説記事(スマブライベント用語集) - Necromakeycon-ネクロマキコン-
【スマブラSP】オフ大会でプロコンを使う人に知ってほしいこと - Necromakeycon-ネクロマキコン-
また、smash.ggの申請の仕方がわからない人向けにマニュアルも作成しています。
マニュアル作ったり、初心者が知らなくて当日困るような情報の共有しているのも、先に掲げていたクロブラの目標、「スタッフ負担の軽減」のうちのひとつです。
負担?どういうこと?と思われるかもしれませんが、「参加者にスタッフが説明する」というのは、スタッフとしてはかなり負担が大きいです。
もちろん質問するのがひとりふたりであれば大したことはないんですが、大会開催時は基本64人とか96人とか100人以上とか、スタッフに対して圧倒的大勢を相手にするわけなので、すごい量の質問が来たら対応ができません。
そのためあらかじめ質問が来そうなことは記事なり手順なり作っておいて、それでも不明点があるような場合にのみ対応するようにしています。
もし既存の手順などを見ていない状態で質問が来たとしても、「手順これです、見てください」でURL貼るだけで対応できます。
なお、「質問は負担になるからするな」という意味合いは全く無く、あくまでも「負担になりそうな作業発生を未然に防ごう」という意図なので、説明読んだけどよくわからん、みたいなのがあったら気にせず質問投げてください。
Discordグループの管理
クロブラには専用のDiscordがあります。
スタッフも参加者も一緒くたになっているグループで、参加者からの質問受付、参加キャンセル、遅刻連絡の受付等を行っています。
参加申請開始前には全員に通知する形で(通知が届いているかどうかはともかくとして)参加者へ連絡を行っています。
これもTwitterDMで同じ質問が一度に多数飛んできて個別に回答する手間を省くという意味合いと、当日のキャンセル連絡をTwitterDMで複数一気にされると、キャンセルしたのかしてないのかわかりづらいとか、キャンセルじゃなくて遅刻でしたみたいな連携漏れによるトラブルがあったりしたので、Discordでスタッフ全員が状況を把握できる状態にしています。
DMで飛んでくる連絡も0ではないので、DMを確認したらDiscordの方に転記するようにしています。
朝は特に設営してたり配信準備してたりで慌ただしくてトラブル起きがちなので、Discord上で一括で確認できるようにすることで対策になっていると思います。
シード決め
シードの決定に関しては、誰もが納得するシードの決定するのは不可能なので、クロブラの過去の成績をメインに考えています。
過去に大会に来ている人は再度参加してくれる人が多いため、過去または直近の自大会の戦績をデータに重きを置こう、という考えです。*4
その考えのもと、昨年はbraacketにて「クロブラプレイヤーランキング2020(KPR2020)」を作成、公開しました。
クロブラプレイヤーランキング2020(KPR2020)
なお、コロナ禍で期間がめちゃくちゃ空いてしまったというのもあって、直近では「全くデータがないよりマシ」という感じでこのランキング自体は参考程度の扱いになってしまいました。ちょっともったいない。
実際プレイヤー層も大きく変わってしまったので、緊急事態明けてからの戦績はまた積み直しですね。
braacketについての記事はこちら
chromakeybullet.hatenablog.com
スタッフ共有事項のまとめ
大会規模が大きくなるとスタッフが多く必要となりますが、スタッフが増えて悩むようになったのがスタッフ間の情報の連携です。
人がある程度増えてみんなでなにかをしようとなると、もう会社と同じでスタッフ内の認識合わせるのにも一苦労なんですよね。
例えば大会当日は全体をまとめる人(主宰)が必要になりますが、主宰がすべて管理していると主宰に質問が集中しすぎて大会自体が破綻してしまいます。
それを防ぐには、役職を作って負担を分散させたり*5、スタッフ内で「こういう時はこうする!!!」というマニュアルをあらかじめスタッフ内に提示することが必要かと思います。
先程は「参加者向け」のマニュアルでしたが、今度は「内部向け」のマニュアルです。
仮に、ある程度の専門知識を持っていたり興味を持っているスタッフが、率先して「この担当やりたい!」というのであれば主催側で細かく決める必要はないです。
しかし、あまり経験のないスタッフに対してこちらで「この作業お願いします!」と作業を振らないといけない場合、やってもらいたいことを明確にする必要があります。
初めての人には作業の説明が必要ですし、説明を端折ってしまうと認識齟齬からトラブルも起きやすいです。
そういうのもあって、「とりあえず全部総括してマニュアルにしてやろう」と思って作り始めたんですが、事細かに自分の考えをアウトプットしていくとあまりの膨大な文字数になり、わかりやすくしようとすると到底片手間で完成できるものではないなと言う結論に至りました。
ちょくちょく更新してはいますが、現状サグラダファミリア化しており、完成目標は今のところは2026年かなとか言う状況です。
流石にこれでは意味がないので、部分部分でわけて内容が説明できる資料を作りました。
例として挙げると
・受付のマニュアル(各参加枠の料金、持参者への対応などを記載)
・Twitch→YouTubeのエクスポートのマニュアル
・配信概要の作成マニュアル
・smash.ggの作成方法について(これはブログ記事)
など
そしてあれこれ作っていたらめちゃくちゃ資料が増えてしまったので資料をまとめるシートを作成しました。
スタッフ外に公開しているものもいくつかあります。
正直まだ「とりあえず作った」感が激しくてマトモに整理もできていない状態なんですが、地道に整理できていければいいなと思います。
とはいえ、クロブラは仕事ではなく完全に趣味でやってるものなので、仕事で忙しかったり、進めたいゲームがあるときなどは手を付けないし、どこかで土日を削って手を付けないといけないので最適化するのは難しいですね(いつになるんだろう…)。
あとは、タスクの漏れがないようにチェックリストを作っていたりもします。
クロブラ当初はやっていなかったNightbotの登録(「!bracket」でsmashggのURLを表示したりするbot)など、大会の質を上げようとするとどうしても作業が増えてしまうので漏れがなるべく無くなるようにと作りました。
Googleドライブでファイル共有
大会のイラスト画像や設営図等は共有の置き場を作る必要があったので、Googleドライブでファイル共有状態にしています。
自分以外がファイルを置くこともないんですが、設営図についてはすぐ取り出せるところにある必要があるので、ドライブに入れてファイルへのURLを設営図の「大会設営図一覧」みたいにして参照できるようにしています。
大会当日編
当日作業については一応〇〇担当、△△担当、という風に分けています。
昔は厳格に作業分担しようとしてたんですが、属人化しすぎるとその人が居ないとできないみたいな問題や、単純にスタッフのモチベの問題等でイベントに来たり来なかったりもあるので、今はふんわりとした区分けになっています。
設営スタッフのタスクについて
設営図作成がメインのタスクです。
また、配置について現地でこうしたらいいんじゃない?っていうのがあれば主導してもらって配置を変える指示出しをしてもらっています。
以前は主宰が設営図の作成もやっていましたが、正直大会開催前の作業はめちゃくちゃ多いので、製図に慣れてるスタッフにこの辺りを任せられるのはとても助かっています。
受付スタッフのタスクについて
受付で参加者からお金を受取って名札を渡したり指示出ししてもらってます。
smashgg上でもチェックイン機能はあるんですが使いづらいので、
「参加者一覧」として公開しているシート↓を
クロブラ27 参加者一覧 - Google スプレッドシート
コピペするとそのまま受付チェックに使えるシートを作成しました。
↑こんな感じになるので、このスプシまたは印刷したものにチェックしてもらっています。
進行スタッフのタスクについて
進行はスタッフがプレイヤーだと常駐するのが難しいので、スタッフ専属の人をメインに、設営、受付のスタッフの人にも協力してもらっています。
配信台は配信スタッフが配信台でやりたいと思った対戦番号をsmash.ggに予約していくので、進行スタッフはそれ以外の試合を呼び出していきます。
その際に先述のトーナメントの進捗管理表に沿って遅れているところや敗者側を優先にして呼び出していきます。
配信スタッフのタスクについて
smashggを見ながら、配信したい組み合わせをあらかじめsmashggで入力していきます。ここは進行スタッフと歩調合わせながらやって、問題ありそうなら会話とかやり取りします。
配信で実施した対戦はsmash.gg上に使用キャラ、使用ステージ、スコアの入力をしつつ、StreamControlの方にもスコアを入れます。
また配信で削除すべきコメントが見られた場合は対応します。
配信はYouTubeとTwitch同時配信しており、仮にどちらかが死んでもどちらかでアーカイブが残せる形にしています。(両方ダメだったパターンはまだないですがその場合は試合ごとに録画して後でアップロード…になりそう)
基本はYouTubeの配信をメインとしていますが、最終的には配信したものをTwitch上にもアーカイブとして残せるように、Twitchで切り抜きしたものをYouTubeにアップロードしています。
大会後始末編
イベント後アンケート
イベント後はGoogleフォームにてアンケートを作成しています。
正直回答率は良いとは言えないのですが、いろんな意見をいただきつつ次回以降のイベントへの改善に役立てています。
動画の切出し作業
スピードが求められる上に時間がめちゃくちゃかかってしんどいんですが、配信した動画を試合ごとに切り抜いてアップロードします。
約6~8時間ぐらいは配信してるので、20~30試合程度あるでしょうか。
配信の全部の動画を再生して切り分けるポイントを決めて分割、分割後に概要欄を貼り付けてアップロード、アップロード後は各動画にサムネイルを割り当て、プレイリストとして公開。
大体4時間ぐらいかかります。
拘束時間の長さと単調な作業で分担したいなとか思ってマニュアルまで作ってはいるんですが、流石にしんどさレベルが全作業の中でも一番高いので、大会後の二次会で酒がいい感じに入った状態で帰宅してすぐ作業するのが一番ハイな状態で作業効率いいのではないかという結論に至りました。
完成したプレイリストがこちら。
その他
オリジナルキャラクター
クロブラでは「黒丸」と「ブラン」というオリジナルキャラクターがいます。
黒いのが黒丸、白いのがブラン(フランス語で白)、2羽合わせてクロブラです。八咫烏なので脚が3本あります。
これはクロブラのTシャツとかを作る際に、「大体スマブラの大会ロゴってスマブラのロゴを模しているのがほとんどだし、なんかわかりづらいな…」と思ってなんかキャラ載せたいという思いがあったので、キャラを公募、キャラ決定後に名前も公募で決めさせていただきました。
VTuber的な立ち位置も考えていたんですが、中の人誰がやるねんとか、中の人2人もいるやんとか大会スタッフそんなに割けないんだけど…とかいろいろあって達成できてません。(ガワは作成して貰ってはいるんですけども…)
そんな2羽ですが、クロブラのDiscordでは絵文字として利用可能です。利用してあげてください。
また大会の募集ツイートとかにも登場してもらっています。
#クロブラ27 12/25(土)開催です
— クロブラ/神奈川スマブラ対戦会クロブラ (@Kurobra_SSB) 2021年12月5日
今回はチャレンジ企画として、「参加者全員による1ブロック総当たり」を行います
時間内にどこまで進行できるのか、誰が一番強いのか
参加者全員で楽しみましょう
◆詳細・申請先https://t.co/nYEotnnJ35 pic.twitter.com/yl0lKC9C2O
今後も活躍させていきたいですね。
また、TシャツやパーカーはSUZURIにて販売していますので、クロブラTシャツで大会に参加したい人は是非ご購入いただければと思います。
学割とスタンプカード割引
クロブラの割引制度として「高校生以下の学割」と「スタンプカード割引」をやっています。
学割についてはその名の通り、高校生以下(学生証等提示が必要)であれば500円割引できるというもの。
やはり学生には積極的にイベントに来て対戦機会を有効に使ってほしいので割引したいなと思って始めました。
スタンプカード割とはなんぞやというところですが、クロブラでは以下のようなスタンプカードを作成しています。
クロブラのスタンプ世界一貯まってる自信ある pic.twitter.com/AX3m1i8Dkd
— そうかる (@sukr_gnn) 2019年4月21日
5つ貯まった状態で提示すると500円割引にできますし、学割との併用も可能です。
始めた理由としては、イベントは1回だけでなくリピートして何回も参加してほしいからというのが大きいです。*6
このスタンプ、大会連続参加でスタンプ押印数が増えたりするので、また行きたい!みたいなのが増えてくれるといいなと思っています。
また、「受付時間外の参加(要は遅刻したら)はスタンプは押さない」というルールも設けています。
これは受付時間を過ぎたらスタッフが予選に行っちゃったりするのでスタッフの負担避けるのもありますが、参加者に遅刻なるべくしないでほしいなというメッセージ的な意図もあります。
大会ルール
「クロブラは大会ルールが特殊」みたいな話を聞いたことある人もいるかもしれないし、実際参加することで身を持って体験した人もいるかもしれません。
クロブラではスマブラforの頃からいろんなルール変更を経て、いつの間にか「互いの同意があればルールを変えても良い」みたいなことになってました。
実際ルールに書いてるのは「互いの同意があれば自作ステージ以外のステージから対戦して良い」「互いの同意があれば公式ルール*7で対戦しても良い」なんですが、主宰の知らない間に「互いの同意取れたのででかい乱闘をする」みたいな事が起きたりしてました。
問題のシーンがこちら
一応ルールに記載してはなかったので、流石にこれは止めさせるべきか…?とも(一応)思ったんですが、参加者がクロブラのことをわかった上で自主的に大会を盛り上げようとしているというのと、対戦が両者納得行く条件で行われているのであれば(あとめちゃくちゃ対戦時間が伸びて運営の妨げにならなければ)口に出すこともないし、まあなんでもいいか、と思っています。
クロブラ初期の頃はAクラスGFは真面目、BクラスGFは互いの合意を得てクソステで戦い場を盛り上げるというのがお決まりだったんですが、現在は参加者のレベルが上がってなかなかそういうのも見られなくなりました。(今でもたまにありますが)
クロブラですが、500人とか1000人規模のめちゃくちゃ大きい大会にするつもりは全くなく、自由度をある程度残した独自性の高い大会にしたいという思いからこういうルールにしています。
正直この「互いの同意が~」ルールがあったからと言って、みんながみんな変なルールでやり始めるわけでもなく、身内同士で当たった時に遊びで変なルールを入れてくるみたいなのがほとんどなので「大会として破綻してるわけではないよ」とは伝えておきます。
おわりに
長々と書いてきましたが、上記がクロブラがやっていることで、大会のクオリティを上げたり、作業の効率化を図るためにやってきた内容です。(まだ書いてないこともあるかもですが)
これから大会を始めようと思っている人や、大会をどうすればいいかわからないという人には参考にしてほしいんですが、今までの説明をぶっ壊すような発言をすると、
「ユーザー大会のクオリティはモチベの続く範囲で上げるべきで、無理して上げようとするものではない」
というのは念頭に置いてもらえればと思います。
例えば、最近はオフ大会も配信は当たり前みたいになっていますが、配信するしないでイベント関連の作業量は大きく変動します。
「周りの大会がやってるから絶対やらないといけない」ということはないですし、大会によっては作業量的にキャパオーバーだったり、実施し続けることに抵抗があるようであれば無理にする必要はないかなと思います。
あくまでも出来る範囲で「これやりたい!」と思ったものから取り組んでいくべき、というのがクロブラを約6年やってて思ったことです。
そんなこんなで長々と1万文字以上書いてきましたが、この記事が大会運営者の何らかの参考になれば何よりです。
最後の最後にクロブラの告知です。
今年最後のクロブラとして、明日12/25(土)にクロブラ27を開催します。
今回常連のスタッフで参加できないという人が多く、かつ年末でめちゃくちゃ仕事が忙しいのもあってトナメをやるのは難しいのでは?ということでトナメよりも負担の少ない『全員参戦超総当り』という企画を考えたのですが、クリスマスに被っているというのもあって参加者が今も埋まっていない状態です。
この記事を読んだ方、もし当日空いていれば!!当日参加も可能なので!!是非来てください!!!!
最寄駅:神奈川県 JR京浜東北・根岸線 関内駅
会場:belle関内601
◆申請先
◆参加者一覧
今年のクロブラはこれで最後ですが、来年以降も頑張りますのでよろしくお願い致します。
*1:大会の統一ハッシュタグだと、遡る際に検索がしづらく「あの時大会であったあれ、ツイートしたけど第何回だったっけ」、になりがちなので大会ナンバリングまで含めています。これは平日大会等、回数頻度が高い大会では数字無い方がいいですね
*2:クロブラ26の際は会場が特殊で、2部屋に跨ってトーナメントを動かす必要があるめんどくさい感じになってしまったので、特に自分の考えている進行方針をスタッフに共有しておく必要がありました
*3:キャンセル待ちはsmash.ggの機能としては存在しないんですが、「キャンセル待ち枠」として枠を作っています。参加者がキャンセルする際に知り合いに連絡を取り、キャンセル後にすぐ申請してもらう、みたいな行為も以前行われていたので、申請時間で厳密に「キャンセル待ち」を設けたかったというのがクロブラの方針です
*4:もちろん自大会の戦績だけですべてを決定するのも無理なので、関東付近の大会やスタッフ内の意見等も参考にしています。主宰は大会に出ていないため、「この前この人と当たったけど強かった」みたいなのがないので、この辺はプレイヤー兼スタッフの意見を反映しています
*5:実際役職的なことを用意していなかった時は、予選ブロック決める以外は1人で全部やっていたので、当日になってあれやってないこれやってないで慌てることが多かったように思えます。
*6:「クロブラ」って書いたスタンプ作ってみたかったというのもあります。
*7:公式大会のチャージ切り札あり、ステージ変化あり…みたいなやつ