スマブラにおける「守破離」
『空ダ練習します!』『リフコンできるようになる!』
という技量がいるテクニックをとりあえず最初に練習するというものですが、
そういう方に特に『守破離』の考えについて知ってもらいたいと思い文字に書き起こしてみることにしました
守破離とは
守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表している。(Wikipedia -守破離)
この言葉は千利休の
「規矩(きく)作法
守りつくして 破るとも
離るるとても 本(もと)を忘れるな」
という句から来ています
「守破離」をわかりやすくするために自分が得意な唐揚げを使って説明すると、
守
クックパッド等のレシピを見ながら唐揚げを作ることができる
(基本となる行動を教えられながら行う状態)
破
レシピを見ずに唐揚げを作ることが出来る
ピリ辛唐揚げ、油淋鶏などアレンジを加えたものを作ることができる
(基本をマスターし、アレンジを加えることができる)
離
唐揚げから派生してオリジナルの料理を作ることができる
(自ら新たな領域を開拓することができる)
こんな感じでしょうか
スマブラで喩えるなら以下のようになるかと思われます。
守
システムの仕様を理解し、キャラクターの基本的な動かし方を会得する状態
破
自分の立ち回りにテクニックを取り入れたり、
理解したシステムでどのように動いていくか考えて行動している状態
離
「守」「破」の考えを理解し、周りの要因にも影響されず行動できる状態
『守』ができてこその『破』、そして『離』をマスターしていくという流れになっており、基本からマスターしていくことが普通です
しかし、スマブラのゲームシステムを理解せずに、当てるのが難しいテクニックをマスターしようという人を良く見ます
もちろんそれらのやり方等を知っておくことも一つの手として重要ですが、一番最初に練習するのは俗にいう「小難しいテクニック」や「即死コンボ」や「Vineコンボ」ではないと思っています
SNSの発達からYouTubeやニコニコの配信、Vine等の動画から誰でも色んな情報を見聞きできるようになりました
色んな動画を見て、「これを決めたい!」と思うような動画も見るかと思います
技量の問題もありますが、『色んな要素が積み重なって初めて成立している』というものがほとんどです
・パッと見は簡単そうだけど、調整するのに技術が必要なもの
・実は見てから対応できるから繋がっているとは言えないもの
・当てれば強いが使いどころが難しいもの
・操作がかなり難しく、失敗すると致命的な隙を晒してしまうもの などなど
色々ありますが、コンボ等は特に見てすぐ練習するのではなく本当にそれが使えるのかということを見極める力を身に着けてほしいと思います
特にどの状態から入るのか(始動ワザ、確定%、位置関係)というのは重要で、練習ならできていたけど実戦でやろうとしてもうまくできないなんてこともあります
下記のVineを例にしてみましょう
NBでシールドを割り、そのまま撃墜しており、一見強いように見えます
しかしこれは偶然決まったもので、実戦で同じように狙っていいものではありません
理由としては
・事前にシールドを削っていないとNBを当てても割れない
・シールドを削った後すぐにNBを刺さないと割れない
・相手が走って接近しながらシールドを張るクセを利用している
・発生が遅いため、NBを溜めているのを見てから回避行動を取れる
・ルキナ側はNBで割れなかった際は隙が大きく、反撃される可能性が高いため振りづらい(リスクが高い)
簡単そうに見える動画でも、色んな要素が絡み合っています
動画から『こんなことができる』ということはわかっても、それを実践で真似ようとすると上手く出来ないのは当然とも言えます
これに限らず、難しい連携やコンボは、基本的な立ち回りがうまく理解できていないと無意味に振って逆に反確を取られてしまったり不利状況になることもあります
また、ベクトル反転(空ダ)や立ちキャン(TANIステ)なども、「使ってる人が多いし、とりあえず練習しよう!」っていう人が多いように思いますが、基本的な立ち回りをある程度把握した上で覚えたほうがいいでしょう
覚えても『どこで使えば効果的かわからないからとりあえずここで使っておこう』という思考になりがちですし、キャラによってはそもそも使う場面が無いかもしれません
基本がある程度理解でき、自分の立ち回りもなんとなく固まってきたところで、『ここであの行動を取り入れれば、立ち回りとしては良くなる!』と思った時に覚える方が効果的に扱えるのではと個人的には思っています
話を守破離に戻しますと、
テクニックやコンボは『守』が出来ていない時期に無理に覚える必要はありません
テクニックの仕様等を知っておくに越したことはありませんが、基本を疎かにして「上手いプレイヤー」になったとしても「強いプレイヤー」になれるとは限りません
スマブラに限らず、『守』から『破』の段階へ移行するのは根気と努力がいります
1回1回の試合で、思考と試行を重ねながら地道に対戦していくことが地力を上げることに繋がっていきます
また、最初に述べた千利休の句にもあるように、『破』『離』の状態だったとしても『守』を疎かにしてはいけません
あくまでも『破』『離』は『守』があってこそのものです
もし伸び悩むような時期が来たら、一度基本に戻ってみるのもいいかと思います
長くなりましたが、読み飛ばした人のために最後にまとめると
基本を忘れるな
ということです
スマブラは始めてすぐ成果が出せるものではありません
地道に経験を積んでいきましょう