Necromakeycon-ネクロマキコン-

唐揚げを揚げつつ横スマを振ります。

これから新しくスマブラの大会を開くときに気を付けたいこと

クロブラと言うスマブラの大会を開催してから1年半ぐらいなんですが、自分の大会を開いたり、他が主催する大会の手伝いをやってみて、30~100人ぐらいの小~中規模の大会を新しく開く際に気を付けたいことをまとめました。

自分はスマブラがメインなのでスマブラ視点で書いていますが、その他のゲームでも共通する内容はあるのかなと思っています。

 

ちなみに大会の機材や備品にどんなものを使っているのかという点については、下記の記事も参照にしていただければと思います。

chromakeybullet.hatenablog.com

 

 

1.会場に関わること

会場の収容人数は当てにするな

会場の収容人数は、大体「椅子を並べて座れる人の限界数」みたいなところがあります

会場側もスマブラをやるために机一つに3~4人が向かうような形で計算してないですからね

ちなみにクロブラの会場で言うと、定員175名って書かれてますが、初回クロブラで128人大会をやったところ結構限界なところがありました(当時モニタが少ないのもあったけども)

収容人数から人数を決めるのではなく、実際に机をどんな感じで配置して対戦させるかというところで人数を決めた方がいいのかなと思いました

できれば下のような会場見取り図に机を置いてみて確認するのがいいでしょう

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会場の周辺は事前にチェック

特に地方の話にはなりますが、会場の周辺に食事ができる場所があるか、最寄りのコンビニはあるかなど見ておくといいと思います。

会場周辺に食事できるような施設が無いと、当日参加者が昼休み時間中に最悪食事ができないみたいなことになるので、もし周りに何もない時は参加者へ事前に告知しておくべきかなと思います。

逆に色々ある環境であれば「こんなお店があるよ!」「この店がお勧め!」みたいな感じで紹介するのもいいかもしれません。

 

 

配信をするなら会場の環境も見ておくべき

有線LAN(もしくは無線LAN)の環境が施設内にあればベストなんですが、あちこち施設を調べてみた結果そうもいかないんだなってことがよくわかりました。

ポケットWi-Fi的なものを借りて配信することもできますが、携帯のキャリアの4G回線等に比べ、ポケットWi-Fiは割と電波を拾ってくれません。

特に地下にある施設だと極端に繋がりにくくて圏外にしかならないみたいなこともありました。

なるべく現地で、実際に使用するポケットWi-Fiを使用して電波状況を確認した方がいいかなと思います。

 

2.大会ルール等に関わること

試合数と試合時間は計算しよう

スマブラWiiUの場合→( 1試合最大6分 × 最大ラウンド数(BO3なら3回) )+ キーコン作成等1分

スマブラDXの場合→( 1試合最大8分 × 最大ラウンド数(BO3なら3回) ) + 試合前のアップ1分 

これが何回分必要になるかを考え、できるだけ想定しうる最大の試合数で計算しておくといいかなと思いました。

トーナメント形式の場合、モニタの台数と進行状況によって、まとめて消化できたり待たないといけなかったりはしますが、大まかな時間設定を決めるために計算して余裕が出るように枠を決めるといいですね。

 

ルールを大会中に確認できる手段を用意しよう

 事前にルールを告知していたのに、参加者に浸透しておらず、再試合が頻発…
ということになっては困るので、試合ルールは出来れば紙媒体で用意して、「初戦ってどうやるんだっけ」「2戦目以降ってどうするんだっけ」みたいなのはいつでもわかるようにしておきたいですね。

クロブラでは100均のソフトケースにルールを印刷した紙を挟んでいます。

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逆にこれをやっていない場合、参加者がルールをわからなくなった時に対応するのはスタッフですので、スタッフの負担を減らすための対策、とも言えます。

 

 

3.機材に関わること

モニタの台数はあらかじめ確認

大きな大会では基本モニタは自前のものが揃ってて、恐らく倉庫とか借りて管理することが多いと思うんですが、学生主体の大会等はどうしても低遅延モニタ(BenQとか)は台数揃えられず、参加者に手伝ってもらうという形式を取るかと思います。

会場のキャパの点でも書きましたが、どちらにせよ大事なのはやはり会場の大きさによってモニタ台数等を決めていくことかなと思っています。
モニタが多すぎると1人当たりのスペースが狭くなったり、机と机との間隔が狭すぎて間違えてモニタを倒してしまう、みたいな事故も発生しやすくなります。
逆にモニタが少なすぎると1台のモニタに5,6人が集まって、結局あまりプレイできないみたいなことにもなりかねません。イベント内容にもよりますが、適切な参加人数というのは参加者の満足度に大きく影響するでしょう。

 

電源タップは多めに

電源タップは最低でも何口必要になるか、どこにコンセントがあるか、ということを確認できればあらかじめ本数が何本必要か想定することができます。

しかし、実際結線してみると「この辺直線で通すとコードが引っかかって危ない」とか、「長さが足りなくてコードが張って浮いてしまう」みたいなことがありました

人がよく動く会場内で、誰かがコードに引っかかってすっぽ抜けてしまうみたいな事故はありがちなので、ケーブル類を床に這わせるときはガムテープ等で固定しつつやっておきたいです。

しかしそうすると「長さは足りてるけど本数が足りない」みたいなことも起きかねないので、長いケーブルだけ用意するのではなく、短いのを多めに、長いのを数本ぐらいの方が、設営の際に小回りが利きやすいと思います。

 

非正規品のものはなるべく避けよう

これはスマブラWiiUに限定されますが、GCコントローラをWiiUで使用するには「GCコントローラ接続タップ」が必要です。

しかし非正規品の安いものも多く出回っていて、代用自体は可能ですが正規品ではないためポートによっ遅延等の不具合が出る可能性があるのでは?と言われています。
試合環境については、各台の環境が統一されている状態が望ましいので、機材が足りず仕方ない場合を除いて正規品を使用しましょう。

 

4.参加者募集に関わること

持参してもらう機材はなるべく詳細に明記を

スマブラWiiUの場合の機材持参の場合、「DLCキャラ全購入」「DLCステージプププランド購入」「GCコン接続タップ正規品」など事前に準備するものや持ってくるものも多いです。

記載していてもちゃんと確認せず持ってくる、という人も過去にいたので、わかりやすくリスト化して告知するといいかなと思います。

 

「キャンセル待ち」の扱いについて

定員がいっぱいになってキャンセル待ちになることもあると思います。

この場合「埋まってるなら参加はいいや」と諦める人と、「参加したいから空きが出るまで待とう」という人が出てきます。

折角の大会ですから、多くの人に参加してほしいですし、参加枠が空いてるか空いていないかをわざわざ時間を置いて何度も確認するのも参加者としては面倒です。


そこでクロブラでは「キャンセル待ち」の枠を設けておき、キャンセル者が出ると自動的にキャンセル待ちの人から繰上りで登録されるようにしています*1

 

クロブラ初期の頃は募集する枠をトーナメントに参加する人数より多めに設定しておいて「募集枠の申請が早かった○○名までトーナメント参加可能です」のように表記していました。
この方法でも、全体で何名ほど参加したい人がいるのか判断できるかなと思います(ただ参加者がトーナメントに参加できているのかいないのかわかりづらいというデメリットもありますが…)。

 

注意事項の明記

大会を継続して開催するのであれば、会場側の指定する決まりなどは守っていかないと会場側から開催を拒否されることも想定されます。

クロブラではなく他の大会ですが、あまりにも会場で騒ぎ過ぎたため他のイベントで参加している人から苦情が来てしまい、今後その会場は一切借りることが出来なくなった、という例もあります。

また、参加者が会場内のゴミ箱にゴミを捨てていき、膨大な量のゴミが出てしまうという問題や、参加者が噛んでいたガムが床に張り付いたままになっていた、などで主催側で自主的に制限を設ける必要が出てきた内容もあります。

参加者全員が注意事項を確認しているかというと微妙なところではありますが、事前に文字で記載して告知を行い、会場内でもできるだけ注意事項は連絡した方がいいでしょう。

 

5.大会当日の進行に関わること

受付時、持参したWiiUのUSBポートの空きについて確認する

WiiUにはUSBポートが前面に二つ、背面に二つ存在します。
大会ではUSB給電のスピーカーでUSBポートを1つと、GCコン接続タップを接続するため2つ、計3つのUSBポートを使用します。黒い方の端子がコントローラの操作をするための本体になるケーブル、灰色の端子はGCコンの振動用なので、繋がなくてもゲーム自体はプレイできます。

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ここでWiiUスマブラ特有の問題として容量の問題が浮上します。
WiiUスマブラはアップデートやDLCコンテンツの容量がデカすぎて、ベーシック版の本体容量が小さいものだとアップデートの内容が全て入りきれません。(初期状態で入っているアプリとか不要なものを消して、スマブラ専用機として使えば行けるようですが…)

外付HDDを繋げばアップデートして追加コンテンツも入るんですが、外付けのHDDって給電のためにUSBポートを二つ使うものが多いんですよね。

その為HDDでポート2つ必要になると、必要ポート数が5つになります。WiiU単体では補えません。

 

「じゃあ振動用のポートを外すか」ってなるんですが、「振動でヒット確認をしている」人もいるため、振動が無いといつものプレイができない。という人も当然ながらいます。

 

トーナメント中に「振動ないと無理なので台を変えたい」という要望も出てくるわけです。

 

それを未然に防ぐには、

  • 受付時にUSBポートが足りているかチェック
  • 足りなかったらフリー台や、早めにフリー台として開放する予定の台に設置してもらう
  • 振動用のUSBは給電目的のもの(この情報重要)なので、自前でコンセントに差せるタイプのUSB充電器を用意しておく

↓コンセントに差せるタイプの充電器はこういうやつですね

GCコン接続タップの灰色の側は「とりあえずUSBで給電出来ればWiiUに繋がなくても」動作します。

とりあえずやっすい充電器でも給電が出来れば振動動作は可能なので、主催側で何個か準備しておいてもいいかなと思います。

 

持参者のWiiUの位置を把握しておく

クロブラでもWiiUを持参してくれた人に、「空いているところに設置して」と最初は指示をしていましたが、それで問題が起きました。

どういう問題かというと、同じ機材をみんな持ってきているため誰のものかわからなくなるという問題と、設置台の変更が急遽発生した際にすぐに対応出来ない問題です。

前者は単純にWiiU本体やケーブル類にも名前を明記しておいてもらえればいいんですが、それも絶対とは言えないので、「○番台あたりにケーブル落ちてました」ということがあった場合、まず「あの台のWiiUは誰のものなんだろう」というところから始まります。

その点、受付時にWiiUの設置台と持参者の名前を控えておけば「あの台は○○さんだからケーブルを忘れてないか聞いてみよう」みたいなことがスムーズに行えますから早く対処しやすいです。

 

また、後者はどのような状況かというと、たまに「ステージが解放されていない」「DLCが居ない」「USBポートが足りなくて振動をONにできない」みたいなことが起きます。

その様な事態になった時、「じゃあ2番台のWiiUと、トーナメントに影響の少ない20番台のWiiUを交換しよう」みたいな対応がすぐ出来るようになります。

 

以上のことから、機材を持参する人に対して、何かトラブルがあった時のために

  • 持込む機材全てに名前を書くように事前に指示すること
  • 受付時にUSBのポートが空いているか確認と、設置する台の番号を控えること

この2点はできるだけ守っておきたいなと思っています。

 

無線コントローラの同期台WiiUの設置

これはオフ大会ならではの問題なので、オフ大会に来たことない人は全く知らないかもしれません。

WiiUスマブラGCコン以外にも、「Wiiリモコン」「Wiiクラシックコントローラ」「WiiU Proコントローラ」「3DS」などの無線を使用するコントローラに対応しています。

無線コンの怖いところは、「対戦台の目の前にいなくても遠隔で操作ができてしまう」ということです。

コントローラの電源を切っても、WiiUとのリンクが切れるわけではないため、ボタン操作をすると反応してWiiUに接続してしまいます。そのため誰のものかわからないコントローラが反応して突然ホーム画面が表示されたりと、試合が進められない状況が発生してしまいます。

 

同期台WiiUとは何かというと、対戦には使わないWiiUで、対戦で使うWiiUと無線コントローラの接続を切るための用途に使われます。

 

3DSWiiリモコンなどは無線通信そのものを切ったり、電池を抜いておくなどでも対処は可能ですが、特にWiiU Proコントローラを使用している人は、電源も切れないし、他のWiiUにリンクするぐらいしか確実な解除方法がありません。

その辺の仕様について知らない人も居ると思うので、Proコン使用者に向けたアナウンスは必要かなと思います。

 

同期台WiiU使用の際は、

  1. 同期台WiiU本体の無線コントローラの接続ボタンを押す
  2. WiiU Proコンの接続ボタンを押す

これだけです。そのため、同期台のために特別モニタとか必要になるわけではありません。

 

どこの対戦台が空いているかを確認する手段を取り入れる

 トーナメント進行時、進行役のスタッフは理解していても、参加者は「この台が空いてるのに対戦台として当てられるから空いたままなのか、フリー台として使ってよくて空いているのか」わからない状態になったりします。

どの対戦台がどのような状態になっているのかは明確にわかりやすくしたいところです。

 

クロブラで実践していることは、「各モニタの番号札を設ける」というのを行っています。

試合の流れはこんな感じです

  1. 受付で試合をコール(プレイヤー呼び出しと対戦台のコール)
  2. コールした試合のプレイヤーに受付に来てもらう
  3. プレイヤーにモニタの「対戦中番号札」を渡し、番号札と同じ台で試合をしてもらう
  4. 試合中は「対戦中番号札」をわかりやすい位置に置いておく
  5. 試合後、勝者は受付まで「対戦中番号札」を返却し、勝敗報告をしてもらう
  6. 台がフリー台になったらわかりやすい位置に「フリー台番号札」を置いておく

実際どう運用するかは大会次第だと思いますが、なんらかの方法でフリー台か否かが参加者サイドから判別できれば、どのような方法でもいいかなと思います。

 

全体で対戦を見る時間を設ける

決勝とかは特に「最後だから全員で試合を観戦しましょう!」って流れは大事かなと思ってます。初回のクロブラでは会場備え付けのプロジェクタがうまく動かず、全体で決勝を見るって言うのはできなかったんですが、「あれ、誰が優勝したの?」「いつの間にか優勝決まってた」みたいになると、やはり大会として残念な感じになります。

 

そうならないように、ちゃんと時間を取って、全員を集めて観戦って言う流れは大事だと思います。

達成のためにはHDMIの分配だったり、プロジェクタだったりが必要になってきますが、配信まではしなくても、プロジェクタに投影するだけでも参加者の大会としての印象はかなり変わって来るんじゃないかと思ってます。

 

6.その他あるといいこと

WiiU Proコントローラ

WiiUのイベントを開催する場合は、大会運営側はWiiU Proコントローラは1台持っておくと便利です。

WiiUは仕様上、GCコン接続タップとGCコンはあってもゲームの起動が出来ません。

ゲームの起動にはゲームパッドまたはProコンが必要です。

持参者にわざわざゲームパッドを持ってきてもらう…というのも流石に大変なので、Proコンを持ってくる人も多いんじゃないかと思いますが、もし起動用のコントローラを忘れた人がいた場合、WiiUスマブラの起動ができません

 

この辺はトラブルにスムーズに対応できるようにあるといいなっていう感じなので(流石に持参者全員が忘れることは無いと思うので)大会が成り立たない事態は起きないと思いますが、もしもの時のために持っておくことをお勧めします。

 

機材についての知識

ただ単に「モニタ」とか「プロジェクタ」「名札」とかが必要になるのはわかると思いますが、具体的にどんな機材があるかとかはあらかじめ確認しておくといいかなと思ってます。

スマブラの大会で使用している機材や備品のプレゼン

必要そうな機材については記事としてもまとめていますので、 読んでもらえればと思います。

 

配信環境

大会は配信することが普通、みたいな世の中になっているので、参加者からは「えっ、配信無いの?」って気軽に言われますが、大会運営側としては配信をするかしないかで、かなり負担が変わってきます。

配信機材の持込みもそうですが、有線が無い会場であればポケットWi-Fiの準備だったり、大会時はスコア入力だったり、実況する人が必要だったりと、スタッフの作業を結構配信サイドに割かなければいけなくなります。

その辺はスタッフの人数とモチベと動き方次第なところはあるので、慣れてる人が居ればいいですが、慣れないうちは配信は考慮せずに大会を進行した方が問題も起きにくくていいかもしれません。

 

最近はPeriscopeでTwitterから直接配信もできるようになったので、配信ができない場合は、会場の雰囲気を伝えていくためにも最後だけTwitterで流すとかでもいいかなと思ってます。

 

 

Challongeなどのトーナメント管理ツールの知識

トーナメントであれば、Challongeを使用して管理するのが楽です。ダブルエリミネーションをする時は特に、自動で敗者側の組み合わせを決めて表示してくれるので、運営側は事前にプレイヤー情報だけを入力しておけば進行を早く進めることができます。

 

Challongeの例

クロブラ7 WiiU Aクラス - Challonge

 

 

7.まとめ

とりあえず大会に関して思いつく内容を丸っと書き上げたので、またも長文になってしまいました。大会関係なく、記事のあらゆる箇所から「WiiU」というハードは欠陥品であり、遊ぶためにあれこれユーザ側で対応しないといけない点に疑問が湧いてきますね。

もし今後大会を開催しようと思ってて、どうすればいいのかよくわからないような点があれば、回答できる範囲で意見は出せると思っているので、Twitter等で質問を頂ければと思います。

 

*1:こくちーずProのキャンセル待ちの機能を使用しています