コロナ禍でスマブラ勢がオフ大会のためにできること #スマブラAdventCalendar2020
第1回(2016年)からAdventCalendarに毎年参加させていただいています。クロマキバレットです。
特に2016年のカレンダー(2つ目)を見ていただければわかるかと思いますが、この企画についてはやり込んでると言っても過言ではありません。
※ギリギリになっても埋まらなかったので、書く人いなかったら毎日埋めたろと記事書いてました。
毎年恒例企画となっているようで嬉しい限りです。
自分は毎回運営目線とか、宅オフ開く側の目線でしか語れてないんですが、今年の振返りとともに、今年も運営目線で書いてみたいと思います。
2020年最大の大会となったEVOJAPAN2020
皆さんほぼ1年前のことになりますが覚えているでしょうか。
今年の初め、EVOJAPAN2020というめちゃくちゃでかい規模のイベントが開催されたことを。
自分もスタッフとして参加していました。
もうほぼ1年前です。
記事にも書いたんですが、運営サイドも全国からすごいメンツが集まりました。
まさにスマブラ運営のドリームチームでした。
chromakeybullet.hatenablog.com
この時は「2020年、オリンピックもあるけどスマブラ界隈も盛り上がっていくぜえええ」とめちゃくちゃ気合が入ってました。
また、その前にはクロブラ史上最大規模となる大会(192人規模でC-Tier)も開いており、クロブラとしても、スマブラ界隈としても、2020年は幸先いいスタートを切ったはずでした。
突如発令された緊急事態宣言
1月以降、事態は急変しました。
コロナウイルス感染者は増え始め、密を避けろだとか、マスクを絶対着用しろだとか、海外でロックダウンが行われたりとか。
大会自体も開けるのかがわからない状態となり、各地の会場が閉鎖したり。
そして緊急事態宣言が発令されました。
クロブラも会場が閉めてしまったため開催ができず、数カ月間イベントが開けない状態になりました。
開催できない間も倉庫代、ポケットWi-Fi代など、月額の固定費がかかっており、何もせずとも赤字が増えていくという状態でした。
クロブラとしては、2つ所持していたポケットWi-Fiの1つを解約し、なんとか赤字を抑えるようにしつつ開催できるタイミングを窺っていました。
また、クロブラはこれから毎月開催ができるようにと、年単位でかなり先の会場を抑えていました。
クロブラのパワーランキングも、大会回数が増えることを見越して作成していましたが、2020年集計一発目の規模の1/4の規模のイベントを開催するのが精一杯な状態になりました。
去年の今頃、こうなると誰が予想できたでしょうか。
相次ぐ大型イベントの悲鳴
スマブラDX界隈の話
この記事を読んでいる方はスマブラSP勢が9割ぐらいだと思うんですが、スマブラDX界隈では更に深刻な状況に陥っていました。
まずスマブラ界隈で一番歴史のある関西で、唯一残っていたスマブラDX大会、MasterHandが無期限休止、倉庫を手放しました。
これにはスマブラDX界隈が激震しました。
SPで言うと、スマバトがなくなるようなものですからね。
続いて全国で一番大きなDX大会、関東のBattleGateWayも赤字から倉庫を手放し、拠点を移動しました。
スマブラDX界隈ではブラウン管テレビを使用するため、イベントを開催するには倉庫がなくてはならない状態です。
開催できない状態でただただ赤字が続いてしまう状況となれば撤退せざるを得なくなります。
ひとまずは両大会ともに継続できそうなので、少しほっとしたところではあります。*1
スマブラSPの話
スマブラSP界隈でも、5月に予定されていた大型ウメブラが中止、その後全国的に大規模イベントが開けず、イベント自体はできる状態にはなったけれども第二波、第三波ときて開催困難な状態が続いてはいます。
かつてのような数百人から千人規模のイベントについては当分開催できないものと思われます。
先日「篝火」が128人規模で開催されましたが、小展示ホール以上の規模になると会場費が爆上がりしてしまうので、キャパを考慮してイベントを開催するのは予算的に厳しいと思ってます。
現状、コロナ禍でできる関東のスマブライベントとしては最大になるのではないかと思います。
クーペレーションカップの中止
スマブラ以外の大会についても挙げます。
つい先日Twitterで「クーペ中止」というのが話題になっていましたが、恐らく大多数のスマブラ勢は「クーペって何?」状態、もしくはタイムラインにその情報すら入ってこなかったかと思います。
クーペレーションカップはSTREET FIGHTERⅢ 3rdSTRIKEの5on5大会です。
キャパ500人程度のめちゃくちゃでかい会場で開催している大会なんですが、カプコンとの協議の結果、巨大な会場がコロナの影響で突然使えなくなった…とのこと。
配信内容を見ていただけるとわかるかと思いますが、かなり感染症対策に徹底して開催しようとしていた大会でした。
https://www.twitch.tv/videos/837051736
もともと500人入る箱で一度に会場に入れる人数を100人に抑え、今まで40台並べていた筐体を8台に制限、等々感染症対策もかなりしっかりしていた大会だったのですが、直前でカプコンとの協議の上…ということなので権利者側からNGが出てしまったようです。
特に現在はコロナの第3波が来ており、情勢上仕方がないところもあるともいますが、スマブラも含め、ゲームのイベントを開いている以上は権利者側からのNGということは今後もあるのかなと思っています。
コロナでのクロブラの影響
大会の中止と小規模化
クロブラではいつも使用している会場がコロナ影響で3月以降使用不可となり、南緊急回避(藤沢開催)で会場を変えて3月はなんとかイベントを開催できました。が、自分が一番開きたかった、4月のクロブラ恒例の周年大会*2が開催できませんでした。
毎年周年大会では、優勝者にトロフィーの授与、参加者に無料配布のチロルチョコで参加者にも気合い入れて参加してもらいたかったところなんですが、開けずで個人としてはかなり悔しい思いでだいぶ落ち込みました。
また先程も書いたように開催できない期間の固定費がそのまま赤字となり、更には季節外れの台風襲来で、参加者の安全を考慮して中止、その分赤字となりました。
大会ができない期間中はオンラインイベントを開いてみたものの、参加者が少なすぎて開催中止となりました。タミスマ等の大きなオンラインイベントが高頻度で開催され強者が集まる中で、あえてオンラインの大会を開いても「神奈川」の括りもなくなるのでクロブラとして開催する意義がないように感じられました。
ある程度して、会場ルールで規模はキャパシティの半分まで開催が可能な状態となり、なんとかイベント開催はできるようになりました。
DX部門の分離
しかし規模も小さく、アルコール消毒だとか人との距離とか触れ合いだとか大声出さない等々を考慮しなければならない中ですので、正直自分が開きたいイベントができているわけではない、というのが現状です。
苦渋の決断ではありましたが、先日報告した通り、クロブラでは長く続けていたスマブラDXとスマブラSPの同時開催を一時中止としました。
DXとSPの合同大会を続けていくということが自分が大会を開く上でやりたいことの1つであり、両界隈のプレイヤーの交流の場としてクロブラを考えてきました。
ただ、中途半端にDXのイベントを開催しても盛り上がりに欠けますし、枠を取っていることで大会としてのメリットも薄いという点もあるため、別枠での開催をすることにしました。
毎回両方参加をしてくれていたプレイヤーには本当に申し訳ないですが、少しの間待っていてください。
…というように、金銭面だけでなく、クロブラに関しては大会の方針などいろんなところで影響がありました。
参加者が大会のためにできること
コロナ禍で会場のキャパ半分に制限が必要という現状から、小規模イベントであればなんとか開催できるようになってきています。
しかし、キャパなども気にせず、大声を出してみんなで選手を応援できるようなイベントの開催は当分無理そうです。
最悪、もう自分たちが生きている間には本来開きたかった形式の大会というのは開けないかもしれません。
そんな中で参加者側の立場から大会側にできることとは何でしょうか。
大会へドネーションをする
大会へ協力するとなった時に、「大会へのドネーション(寄付)」をまず第一に考える人が多いかと思います。
ドネーションをすることは金銭的に困っている大会を救済するためにはストレートな問題解決方法です。
しかしドネーション受け付けてる大会…と聞いてもパッと浮かばないですよね。
1大会運営者としては、あんまりドネーションするという形は取りたくないと思っています。
比古清十郎の使いどころ
他の界隈はわからないのでスマブラに絞って書きますが、ドネーションを大々的にお願いするようなスマブラの大会はそうそうないと思います。
クロブラに関しても、「財政苦しそうなのでドネーションしてくれたら出しますよ!」と声をかけてくれる人も多くいました。
クロブラは開催当初からかなりの赤字だったので、過去に募金箱置いてたりとかしていましたが、今となっては大々的なドネーション受付はする気はないです。
確かにコロナ禍でイベントが制限されている状態ですが、現状全くイベント開けないわけではないですし、おかげさまで倉庫代ぐらいはなんとかなってます。
個人的には「ネット等を介して大々的にドネーションをする」ということは、「大会側が自力でどうにもならなくなった時の最後の切り札」だと思ってます。
…スマブラっぽく切り札、と言いましたがニュアンス的にはトランプのジョーカー的な存在でしょうか。
ということで、るろうに剣心の比古清十郎と思ってください。*3
スマブラのイベントというのはユーザー主催のイベントがほとんどであり、基本的に赤字スタートです。
会場費なり機材費なり倉庫代なりの出費をイベントの参加費で補ってるわけなんですが、赤字であるのがデフォである故に、「多少の赤字は許容範囲」という前提で大会を開いている方が多いかと思います。現に台風とかで中止とかは全国のイベント見ても何度もありますし、イベント開く上でそういったリスクはつきものです。
流石にどう頑張っても赤字確定の場合は、めちゃくちゃ大規模とか海外勢呼ぶとか、よほどやりたい大会でない限りはむちゃな開催はしないかと思いますが…。
そういう前提があった上で真面目にドネーションを考えるときは、本当に大会が金銭的に追い詰められてしまった場合だと思ってます。
それが先述のBGWのような、「長期で開催できずに倉庫代が嵩んでしまい、今後も開催できる見込みがないためこのままだと大会が消滅」みたいな状態になるのかなと。
そういう思いもあるので、ドネーションのお話自体をいただくのはありがたいと思っていますが、何回も比古清十郎を活躍させるわけにはいかないんです。
できれば使いたくない手なので気持ちだけ受け取らせてください。
イベント中止期間が長期化した場合どうするか
また、ドネーションをしない理由としてもうひとつ、「お金をもらったからと言って大会が今後存続、継続できる確約がないから」という点も挙げられます。
例えば倉庫代で毎月お金が減っていくけど「来年には前と同じように開催できる」という確証があれば「1年分の倉庫代があればなんとか持ちこたえれる!」という指標になりやすく比古清十郎に頼ってもいいかなと思います。
でもコロナ禍においては、いつになったら元通りになるという確証はなく、いつまでこの状況が続くかわからないのが現状です。
ドネーション自体はやるとなれば簡単にできますが、大会存続の延命措置にすぎません。
長期化すると何回も何回も比古清十郎しなくてはならないですし、頼り続けた挙げ句に限界が来て消滅、ということも考えられるわけです。
主催側の立場としても、本当に長期化して開けない状態なら機材を倉庫から撤収させて一時的に自宅に置くとか、スタッフに機材を預かってもらうとか、出費を減らす方向で開催できる時期まで待つ、ということもできます。
規模半分で開けるなら、参加費仕方なく上げるとか、会場変えるとか、主催側にも検討余地があるため、すぐに「ドネーションしよう」とはならないかなと思ってます。
また誤解を招いてしまったら申し訳ないので断っておきますが、自分は「運営はドネーションのお願いをしてはいけない」と言いたいわけではないので(むしろ他大会が死にそうだったらお金出すと思います)、もしドネーション受付している大会があれば是非応援してあげてほしいと思います。
スマブラ勢の古来からの儀式
コロナが開けたとき「オフ勢」は減ってしまう?
では、コロナ禍の大会側への貢献として、ドネーション以外で参加者ができることとはあるでしょうか。
実はクロブラが開催できず長期間何もできない状態になったとき、自分が一番恐れたのは「オフ大会への参加者が減ってしまうこと」でした。
オフイベントが全くできなくなったことでオンラインが活発になり、このまま「もうオンでいいや」または「スマブラ自体がもういいや」ってなって人が離れてしまうのが怖かったです。
現在はイベントもなんとか開ける状態で人もいるんですが、どうしても大規模な大会シーンが減ってしまうことで「オンでいいや」になってしまう人は少なからずいるだろうと思っています。実際コロナ以降見なくなったプレイヤーもいます。
正直オフ狂いの人たちは「早くオフを開いてくれ」と今もなお苦しんでいるので、開催されたら絶対来るし問題ないと思ってるんですが、大きく期間が空いてしまうことで新規がいなくなってしまうことがちょっと不安に思っています。
スマブラはオフ大会に頻繁に出る上位層がYouTube等で活動することで、オフにも興味を持ってくれる人はいるとは思います。
ですが、興味を持ってくれても参加する機会がないなら結局オフに出ることなく離れてしまうでしょう。
大会開く側としては、スマブラの強い弱い関係なく、なるべく多くの人に(特に新規の人に)オフイベントに興味を持って参加してほしいと思っています。
コロナが落ち着いた時に、オフ勢が全体的に少なくなってしまった…という自体を避けるにはスマブラプレイヤー古来からの儀式、「宅オフ」が最適なのではないかと思っています。
小規模でも交流を
宅オフなんですが、スマブラSPが始まってから爆発的に小規模大会が増えたことで宅オフを開いているところが一気に減った気がしています。
もちろん自分がサーチしていないから実際にはそんなことないのかもしれませんが、今まで宅オフを開いていたところも身内限定開催になったり、誰でも参加OKっていう宅オフはあまりなくなったのかな、という印象があります。
WiiU→SPで競技人口は体感3000倍ぐらいには増えてると思ってます。
実際イベントの募集に対してキャンセル待ちだけでもう1つ大会開けるレベルの申請があったり、動画の再生数も目に見えて伸びやすくなりました。
オフ初めてという人が知らない人の家にいきなり行くのは抵抗あるかもしれませんが、小規模大会に参加するよりは参加者とゆっくり話もできますし、得られる情報も多いので大会だけに出るよりも実力が付きやすいかなと思っています。
古来からスマブラ勢は人の家に上がり込んで(言い方雑すぎますが)スマブラで語り合ってきました。あまり大人数で集まれない情勢なので、小人数で家で対戦するのは有効だと思ってます。
また仲のいい人を増やしておくとオフ大会で会った時に話しやすいですし、大会に参加するモチベーションにもなると思います。
開く側でも参加する側でも、「いや周りにスマ勢いないだろうし…」と思う前に、まずはTwitterで募集かけてみてもいいと思います。
ちなみにクロマキ宅オフも、長き封印を経て場所を移し開催できるようになったので、是非参加していただければと思います。ちなみに家主はスマブラする時間よりも多く唐揚げを揚げていると思います。
オフ大会スタッフになる
最後のオフ大会のためにできること。
もう「スタッフになってしまえ」という荒業。
スマブラオフ大会は有志によって開催されています。
業者から派遣されてきた人とかではなくて、「ただのスマブラが好きな人達」です。誰でもできます。
もちろん「プレイヤーとして出たいので…」という人もいると思いますが、スタッフの8割ぐらいがスタッフとプレイヤーの兼業です。
「自分がやりたいゲームの大会を自分と仲間の手で1から作り上げて開催する」っていうところはなかなか経験できないことだと思います。
スタッフになることで大きなメリットは、「申請レースを勝ち抜かなくても参加権が得られること」です。
正直最近の申請レースは規模抑えているのもあってかなり過激になっているので、この機会にスタッフになってしまおうっていうのは手だと思います。
現状の規模だと全然大丈夫ですが、コロナが明けて大規模開催するとなったとき、スタッフ本当に足りるのか?というのは正直疑問でもあります。
協力してくれる人が多ければ多いほど、大会としてはできることが増えますので、めちゃくちゃ助けになります。
また、裏方にも関わっておけば、普段のイベントの見方というのも大きく変わってくるんじゃないかと思います。
クロブラではスタッフに興味のある人を募集していますので、もし話だけでもとか、大会のこの辺やってみたいという人がいたら声かけてください。
まとめ
今年も書きたいことを書いていたらものすごく長文になってしまいました。
コロナに関してはマイナスなことしかなくかなりつらい1年になりましたが、前を向いて今できることをやっていきたいと思っています。
皆さんに協力をお願いすることもあるかと思いますが、イベントを開く身として、精一杯やっていきますので、今後とも宜しくお願いいたします。