Necromakeycon-ネクロマキコン-

唐揚げを揚げつつ横スマを振ります。

スマブラ界隈の変遷

ここ最近なんですが、特にスマブラというコミュニティがあまりにも大きくなりすぎてるなぁと感じることが多いので、思ったことを挙げてみることにしました。

 

また自分はいわゆるオフのスマブラ界隈に顔を出すようになったのは2014年で、スマブラfor3DS発売前のスマブラDXオフだったということは事前情報として明記しておきます。

 

 

 

スマブラ界隈の歴史

「歴史」という大層な目次ですが、長く続いているタイトルなのでざっくり書いてみました。

まずスマブラのオフイベントとはどういう経緯で形成されてきたのかというところですが、すべて自分の目で見てきたわけはないので色んな所から聞いた情報になります。

※間違い等あるかもしれませんがご容赦ください 

64(1999年)・DX(2001年)発売

まずスマブラ64やDXではオンライン対戦が存在せず、ネットもTwitterなどのSNSがなかったため現在とは交流の仕方が違いました。

格ゲーであればゲーセンに行けば人に会えるのですが、家庭用ゲームでは人の家に行くか、人を家に呼ぶかしか選択肢がありません。

当時はどうしていたかというと、掲示板や、いにしえのSNSであるmixiを使って宅オフの募集をかけたり、店舗大会*1で強い人に声をかけて知り合いになったりしていたようです。

 

またDXの頃までは公式大会が開かれていたり、64の時代には「64マリオスタジアム」という任天堂一社提供のテレビ番組があり、そこで「スマブラ名人決定戦」が行われたりしてました。*2

 

ちなみに自分は厳密にはスマブラDX勢ですが、DXが最新のスマブラだった頃は界隈のこともよく知らずでした。

しかしYouTube等に動画は残っていたので、「ボムソルジャー」「カイト」「Ken*3」などは名前だけは知ってました。
現在スマブラSPをやっているCJさんとかも時期的にはこの頃活躍したプレイヤーですね。

 

スマブラX発売(2008年)

2001年のDX発売から7年、スマブラXが発売されました。64とDXの間が2年だったので、Xまでは3倍程度の期間が空いていたことになります。

DX発売からまもなくは割と公式も関わってくれてたんですが、以降は公式も大会を開かなくなったため、プレイヤー主導のイベントも増えてきたようです。

 

特に関西が活発で「関西スマブラ会」としてDX、Xの大会が開催されていました。

Xの頃はブラウン管テレビを共有するという点から同時開催がやりやすかったようです。

 

スマブラは各タイトルでゲーム性が大きく変わっていたため、64を続けた人、DXで留まった人、最新作のXに移行した人でバラバラになっていました。

それぞれ独自のコミュニティとなっていましたが、タイトルをまたいでいるプレイヤーもいたので、コミュニティ同士のプレイヤーの繋がりみたいなのはあったようです。

 

スマブラfor発売(2014年)

そしてXから6年の時を経てスマブラforが発売。

それまで64→DX→Xと移るたびにその界隈に残った人もいたんですが、ここで初めてスマブラXのみで続ける人は消滅し、64勢、DX勢、新作勢という今の形になりました。

というのも、forがXベースに作られた進化版のような形で、Xの時の知識を活かしやすいゲームとなっていたのが大きいでしょう。

 

3DSはハードとしても大体の人が持ってたこともあり、プレイヤー人口は爆発的に増えました。

対するWiiUはハードが本当にダメでソフトが出ず、スマブラやスプラ専用機化する人も多かったと思います。

※販売総数から見ても、恐らく3DS勢の方が多かったんだろうなと言う認識です。

 

オフ大会はWiiU発売後は基本WiiUで行われましたが、それでも100人以上の規模の大会でも参加者がすぐ埋まり、参加できない人が増えるなど盛り上がりを見せていました。

スマバト、ウメブラなどX時代からあった大会に加え、修羅ブラ、クロブラなどの新規大会も増え、オフ大会の認知度も上がってきました。

スマパや闘龍門などの平日大会も増え、大会の盛り上がりも増してきました。

 

また、オフ大会を地区予選とした公式大会が開催され、任天堂側から「オフ大会見てるぞ」というアピールを受けることとなりました。

今まで完全にアクションなしだった任天堂が、「認知してるけど黙認、むしろ好意的」の形となったのはXの頃とは大きな違いで、更にオフ大会の認知度を上げることになりました。

 

更に、それまでスマブラのプロゲーマーはスマブラDXのaMSaさんだけだったのが、にえとのさんが続き、「e-sports」という単語の流行りから次々とスポンサーのついたプレイヤーが増えてきました。

これもスマブラが注目される一因の一つになったと言えるでしょう。

 

オフ以外で言えば、国内でのYouTuberが流行り、YouTubeを見る一般人が増えてきました。

スマブラ界隈で知らない人は居ないと言われた配信者、鮫木さんもYouTubeに移行。

結果、鮫木さんを知らない人が「鮫木って誰?スマブラ強いの?」みたいな感じで配信を見に来て、今まで全くスマブラに関わらなかった層にもスマブラ勢が知られていくことになります。

 

スマブラSP発売(2018年)

さてここでようやく追いついてSP発売以降の話です。

ここで、今まで分離していた3DS勢とWiiU勢が統合し、Switchというハードの強さ、以前からのオフ大会やオンの配信など、プレイヤーが築き上げてきたあらゆる事が積み重なった結果、スマブラSPの界隈はめちゃくちゃ巨大なコミュニティとなりました。

 

ウメブラは1000人規模でもあっという間に埋まり、小中規模のオフ大会も一気に増え、新規の参加者が格段に増えているのを感じました。

 

それまでは国内配信で見ることがなかった万単位の同時接続数が度々現れるようになり、前作の何倍もの人数がスマブラのイベントに興味を向けてくれるようになりました。

 

 

スマブラ界隈の大きな変化

コミュニティ大会というインフラの充実

どこで大きく界隈が変わったかというと、大きな転機としてはやはりスマブラforなのかなと思います。

 

今と比べてあまり人口は多くないにしろ、各地方ごとに代表となるスマブラの大会ができたのが本当に大きいと思います。

関東のウメブラ、関西のスマバトを筆頭に、北海道のHST、東北のTSC、関東はクロブラや闘龍門、スマパなど大中小規模のイベントが複数あり、中部のカリスマ、中国のヒロスマ、九州の修羅ブラ、沖縄の美らブラ。

 

この時点で大会インフラが整備され、規模もそれなりに大きくて、それぞれ配信も行うようになっていたので、SPが出た直後にクオリティの高い大会を開けることに直結したと言えます。

 

実際スマブラの大会はユーザー大会であるのにも関わらずクオリティがめちゃくちゃ高いです。

スタッフと兼用でプレイヤーとしても活躍している人も多いので、どういう状態があるべきなのか、スタッフとプレイヤー両方の視点から指示を出すことができます。

またスタッフだけでなく、大会慣れしている人(主にシードプレイヤー)には、予選時のスコアの入力や対戦開始の指示など、運営の作業の一部を協力してもらうことが多いです。
そのため、運営側もプレイヤー側にある程度任せて他の運営の作業に注力できます。

当たり前になっている事ですが、よくよく考えるとすごいことだと思います。

 

スタッフもコミュニティとしてはかなり進んでいて、配信クルーや実況解説など専門職の人がいたり、大会PVの作成、カメラマンなど幅広い層の人が技術を活かして大会の成功に役立てています。

 

コミュニティとして成長できたのは、全国的に大会が開かれ、「この大会ではこんなことやってたから真似してみよう」「こんな問題があったから共有しよう」と全国的に情報共有が行われてたことも大きいです。

 

そんなこんなで、スポーツをテレビで観戦するのと同じように、PCやスマホからゲームの大会の観戦ができるんですよね。

大会視聴者が増えてくるのもわかりますね。

 

大会自体の注目度の増加

スマブラ4より少しずつ増えてきたプロのスマブラーは、SPではかなりの数になりました。

それほどスマブラがコミュニティ外からも注目されるほどの競技になったと言えます。

 

今のところ、

スマブラに興味のある視聴者が増える→大会の配信が人気になる→注目のプレイヤーがプロになる

のループを繰り返しているように思います。

界隈としては、いい感じのループになってるのかなと思います。

 

プレイヤー人口増加による変化もありますが、「スマブラはちょっとやってるだけだけどやり込むのはちょっと…」という層の人たちをYouTube人気の波で視聴者としてうまく取り込めたのが強かったですね。

 

コミュニティ肥大化による弊害

ここまでスマブラのコミュニティが大きくなってよかったことを書いてきましたが、コミュニティが大きくなった故の問題も多く発生しています。

 

認識の違いによるモヤモヤ感

これは「弊害」とはちょっと違うかもしれませんが…。

スマブラ界隈は、YouTubeという国内でノリに乗ってる強力な媒体を仲間にした結果、人口は増えたものの「オフ大会に来る人たちだけのコミュニティ」ではなくなりました。

 

比較対象としてスマブラDXの界隈を出します。

DX界隈は未だに村社会なので、

オフ大会に来る人 ≒ 配信を観てる人

という構図になっていると思います。

 

配信しても基本的に見るのはDX勢がほとんどなので、残念なことに、同じスマブラ配信でも国内での視聴者数はSPの比にもなりません。

基本的に全国のDX勢は大体知り合ってるレベルで繋がっている人が多いので、身内的に問題なければ多少変なことをやっても許容されます。

 

実際の例でいうと、プレイヤーの1人が大会に偽名参加申請したところ、偽名なのに正体がバレバレで、わけわからん名前のプレイヤーがシードになってるということがありました。
(海外勢からは認知されてなかったようで、新規のめちゃくちゃ強い人だと思われたらしい)

 

※現在のSPではないと思いますが、偽名でトナメ荒らしに来るような人は他のプレイヤーからもバッシング受けそうな気がします。

 

対してSPの配信については、

オフ大会に来る人 <<(超えられない壁)<< 配信を観てる人

なので話が変わってきます。

 

例ですが、「この二人はかなり昔からの仲で、過去作から何度も戦っている因縁の対決」みたいなバックボーンを知ってると、試合の時に煽るような発言しても納得できると思うんですが、それを全く知らず配信だけ見た人からすると「こいつこんなこと平気で言うんだ、酷い奴だ」という感じに見えてしまうこともあるんですね。

 

また「あの時の大規模大会の決勝でフルセットからの大逆転というあの熱い試合をした2人がこんな序盤で…!?」みたいに、背景を知っているだけで敗者側の1試合がかなり重く見れたりすることができると思います。

 

そんな感じで、今まで何度もオフ大会に参加してる人たちの感じ方と、配信見るだけの人(もしくはそれほどオフ大会に来たことない人)では経験からくる感覚のズレがあると思います。

 

もちろんオフ大会常連の人たちの感覚が絶対正とは言えないのですが、今まで村でやってて許されてたのを街でやったら「そこまで厳しく指摘される??」みたいな角度から怒られちゃった…みたいな事象は何度か見てます。

 

なんかそういうのを見てると、背景伝わらないから仕方ないなーという気持ちはあれど、ちょっとモヤモヤ感は残ってしまいますね。

 

プレイヤーへの誹謗中傷

スマブラに限らず、コミュニティ内で何か大きな問題を起こすような人物は、基本的には追放されます。

そのため、今後も継続してその村に居たい人からすると、基本村では問題を起こしたくなく、問題が起きても何とか鎮めようと動きます。

 

しかし、コミュニティを外から見ている人で、何を言おうとも自分に影響がない状況では言いたい放題にできます。

 

スマブラの界隈に元から居た人たちと、新規で入ってきた人たちのスマブラのプロ」って捉え方が違うと思うんですね。

先程のプレイヤーそれぞれの背景についての話にも被るんですが、界隈に元から居た人たちは現在プロになってる人のほとんどは「プロになる前から知ってる人たち」でした。

それが、チャンネル登録数が数千数万単位になっていて完全にプロになってから初めてその人を見ると、もう絶対的な遠い存在に見えてしまうんですね。

スマブラのプロ」というだけで、芸能人とかと同じ枠組みで捉えてる人も多いんじゃないかと。

つい先日「なんで有名プレイヤーを呼び捨てにするんだ、信じられん…」みたいなことをTLで見かけたんですが、遠い存在に見えてる人には逆に敬称つかなくなったりってありますよね。

普段友達と会話してて「ヒカキンさん」「もこうさん」とか呼ばない、みたいな感覚だと思います。

実際に、スマブラはやってるけど動画勢の知り合いと話すと、向こうは敬称はつけずに呼んでてこっちは敬称つけてるみたいなこともよくあります。

 

そんなこんなでスマブラ上位のプレイヤーは遠い雲の上の存在、多少悪いこと言っても見てもないだろう」という思いもあるのか、プレイヤー対する誹謗中傷は増えてる印象にあります。

大会の配信やSNSで個人に対する誹謗中傷なども実際結構な数見かけています。

そういうのを取り上げられたときにスマブラは治安が悪いんでしょ?」みたいなことをスマブラ界隈外の方から言われるんですが、深く関わってる人ほど治安の悪いことするような人はいないと思うんですよね。
深く関わっている人はもう長年この界隈に居ますし、めちゃくちゃ良い人の集まりだと思っているので、これから関わろうと思っている人は安心してもいいと思っています。

 

大規模大会の配信の再生数から全体を数万人規模だとして、荒らすような人たちはその中の数十人〜数百人程度、全体の1%程度だと思ってます。

特にスマブラに関しては規模が大きくかつ若年層の人口はめちゃくちゃ多いので、他のゲームタイトルより誹謗中傷等が多くなるのも仕方ないかな…という思いはあります。

 

ただし、あまりに過激なものが続けば、プレイヤー側としても黙って流し続けるのも無理でしょう。プレイヤー側は名誉毀損とか法的措置で対処していくのもありだと思ってます。

発言をする側も、SNSで名前は見えなくても誰が発言したのかは、やろうと思えば特定できるということを念頭に置いて発言してほしいです。

 

すごく怪しいところからのアプローチ

スマ4の頃から少しずつ出てきていますが、スマブラというコンテンツに目を付けてくる怪しい企業等のアプローチが何度かありました。

 

何度も界隈全体で問題になっているので、長く界隈にいる人は「またか…」な感じですが、これもスマブラが人気になりすぎたからでしょうか。

 

内容としては、プレイヤーに対して「スポンサーとして付くからプロにならないか?」的なことを言われ、なってみたらなんか待遇がヤバい、でもプレイヤー側は「企業案件だし…なりたくてなったから…」で抜けるに抜けられない、みたいな。

 

流石に何度も問題起きてるので、プレイヤー側も誓約書を要求したり、こちらのメリットとやることの内容確認しっかりするとか界隈内での共有が何度もされています。

後から界隈に入ってきてそんな問題すら知らない人は気をつけましょうね。

面識なくても、既にプロになってる人に直接相談してみるのもいいと思います。

 

まとめ

一気に書いた割に結構な文量になりました。

特に最近は新規の人たちとの認識のズレを感じる事が多く、もやもやしてたので書いてみました。

 

あまりにも大きくなったスマブラ界隈ですが、今後も障害(最近はコロナですが)にぶち当たりつつ変化していくと思います。

界隈内の1人として、いい方向に進められるよう、そして楽しくスマブラするという初心を忘れないようこれからもがんばります。

 

クロブラも早く開きたいですね…

 

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昔の写真を見てると本当に楽しそうに好き放題やっているものばかりなので

ほんま「コロナがなければ…」なんですけどね…

 

*1:トイザらスなど、ゲームを販売しているような店舗ではゲームの大会開かれるのが昔はよくあった

*2:そこで優勝したのが及川名人こと及川さんですね。

*3:ソニックの人ではない